【受給事例】自閉スペクトラム症(発達障害)で遡及請求。20歳前傷病の障害年金

自閉スペクトラム症(発達障害)で遡及請求が認められた事例

幼少期に初診がある「20歳前傷病」での申請

幼少期からの「生きづらさ」を抱え、大人になっても日常生活でご家族の多くのサポートが必要な状態が続いている20代女性のケースです。
当事務所でこれまでのご苦労をヒアリングし、過去に遡って年金を受け取る「遡及(そきゅう)請求」をフルサポートさせていただき、無事に障害基礎年金が認められた事例をご紹介します。

対象者様のご相談データと経緯

基本データと発病から現在までの状況

  • 年代・性別: 20代・女性
  • 傷病名: 自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動障害(ADHD)、広汎性発達障害
  • 障害の状態: 集団生活への馴染みにくさ、コミュニケーションの困難さ。日常生活に家族の援助が必要。
  • 決定した年金: 障害基礎年金2級
  • 請求方法: 障害認定日請求(遡及請求5年)

ご本人は、幼少期から集団生活への馴染みにくさやコミュニケーションの困難さがあり、3歳時検診で指摘を受け、「広汎性発達障害」と診断されていました。

成人後も日常生活において単独での行動が難しく、ご家族の多くのサポートが必要な状態が続いていました。

 

  • 日常生活の状況: お一人での金銭管理や通院、各種手続きなどが困難であり、常に身の回りのことに関してご家族の援助や助言を必要とする状態です。
  • 通院の状況: 20歳当時から現在に至るまで、精神科クリニックへの定期的な通院を継続されています。

 

将来の生活に対するご家族の不安も大きく、当事務所へご相談にいらっしゃいました。

社労士から見た、この事例の重要なポイント

「20歳前傷病の遡及請求」特有の難しさと審査対策

発達障害など、20歳より前に初診日がある傷病を「20歳前傷病」と呼びます。この場合、障害年金の審査は20歳になった時点(障害認定日)の障害の状態が基準となります。

今回の事例のように、過去に遡って年金を請求する「遡及請求」を行うためには、「現在の状態」だけでなく、「20歳当時の状態」も重かったことを証明しなければなりません。当事務所では、ご本人の出生時から現在に至るまでの生活状況や、ご家族からの援助の状況を詳細にヒアリングし、実態を正確に反映した書類作成を行いました。

20歳前傷病・遡及請求の「壁」とサポート内容

専門家の視点で紐解く、申請のハードル

遡及請求では、数年前の古い記録を集めたり、複数の医師に協力をお願いしたりする必要があり、ご自身やご家族だけで手続きを進めるには高いハードルが存在します。

【壁1】20歳前の受診証明と「小学生の頃の書類」の確保

障害年金の申請には、初めて医師の診察を受けた「初診日」の証明が必要です。今回のケースでは最初の受診が3歳とかなり過去であったため、当時のカルテが残っているかが心配されました。今回は無事に小学生の頃の受診書類(記録)を取得することができ、受給への確かな足がかりを築くことができました。

【壁2】転医を乗り越え、2つの時点の診断書を取得

遡及請求を成功させるには、「20歳当時の診断書」「現在の診断書」の2通が必要でした。
引っ越しや生活スタイルの変化に伴って途中で病院を変わる「転医(てんい)」を挟んでいた時期だったため、過去の病院から当時の診断書をスムーズに取得するのは難しい状況でした。ご本人とご家族様から聞き取った「当時の日常生活のリアルなしづらさ」を参考資料としてしっかりとまとめ、医師へ橋渡しを行いました。その結果、無事に実態に即した的確な診断書を作成していただくことができました。

 

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結果:無事に障害基礎年金(遡及請求)を受給決定

過去分のまとまった一時金も受給でき、ご家族も安堵

綿密なヒアリングに基づいた申立書と、2つの時点の的確な診断書が認められ、無事に障害基礎年金を受給することができました。
20歳時点に遡っての認定(遡及請求)も認められたため、過去5年分のまとまった一時金と、今後の年金を受給できることになりました。

🌸 当事務所からのメッセージ

幼少期に発達障害と診断された方のご家族は、「本人の将来の生活資金はどうなるのか」と大きな不安を抱えていらっしゃいます。
今回のケースのように、20歳前後でも継続して通院をされていた場合は、過去に遡ってまとまった年金を受け取れる可能性が高くなります。一方で、「昔のことすぎてカルテが残っているか分からない」という場合でも、別の方法で申請できる可能性は残されています。

ご家族だけで抱え込まず、「うちの子の場合はもらえるのかな?」と迷われたら、まずは当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。専門家として最善の道をご提案いたします。

よくあるご質問(FAQ)

20歳前傷病・遡及請求に関する疑問にお答えします

Q. 遡及請求(そきゅうせいきゅう)とは何ですか?
A. 本来年金をもらえるはずだった時期(今回の場合は20歳)に申請をしていなかった場合、過去の分に遡って年金を請求できる制度です。最大で過去5年分の年金を一時金として受け取ることができます。

Q. 20歳の頃は病院に行っていませんでしたが、申請できますか?
A. 20歳当時の診断書が取得できない場合、遡及請求(過去分の受け取り)は難しくなりますが、「事後重症請求」として、現在の状態をもとに将来に向かって年金を請求することは可能です。

Q. 昔のことすぎて、初めて病院に行った日(初診日)のカルテが破棄されていました。
A. カルテが残っていない場合でも、お薬手帳、診察券、当時の母子手帳、通信簿、第三者からの証言などを集めることで、初診日を証明できる場合があります。諦めずにご相談ください。

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社会保険労務士 神尾愛

この記事を書いた人:神尾 愛(社会保険労務士)

上野・錦糸町・北区エリアを中心に活動する障害年金専門の社労士。「えがお」をモットーに、複雑な制度をわかりやすく解説し、申請の代行を行っています。地域の勉強会や相談会も定期的に開催中。一人で悩まず、まずはお声がけください。

 

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