【大人の発達障害】仕事が辛い…障害年金はもらえる?認定基準と「カルテ5年の壁」を社労士が解説
目次

はじめに
「子供の頃はなんとかなっていたのに、社会人になってからミスが増えた」
「職場の人間関係がうまくいかず、うつ状態になってしまった」
大人になってから発達障害(ADHDやASDなど)の特性に気づき、仕事や生活にお悩みではありませんか?
実は、発達障害も「障害年金」の対象となる病気の一つです。
もし受給できれば、経済的な不安を減らし、ご自身のペースで治療や生活に向き合うための大きな支えになります。
今回は、上野・錦糸町・北区エリアを中心にサポートを行っている専門社労士が、「大人の発達障害で障害年金の対象となるための条件やポイント」について、わかりやすく解説します。
そもそも発達障害とは?(大人になって気づくケース)
発達障害は、生まれつきの脳機能の偏りによるものです。大きく分けて以下の3つのタイプがありますが、大人になって仕事のトラブルなどをきっかけに診断されるケースが増えています。
① 自閉症スペクトラム(ASD・アスペルガー症候群)
コミュニケーションや社会性に特徴があります。
- 場の空気を読むのが苦手
- 特定のことに強いこだわりがある
- 急な予定変更でパニックになる
- 光や音に敏感(感覚過敏)
② 注意欠陥多動性障害(ADHD)
「不注意」や「多動・衝動性」が特徴です。
- 仕事のミスや忘れ物が多い
- じっとしているのが苦手
- スケジュール管理ができない
- 思いつくと後先考えずに行動してしまう
③ 学習障害(LD)
全体的な知能の遅れはないものの、「聞く・話す・読む・書く・計算する」などの特定の能力に困難がある状態です。 大人になってから「仕事のマニュアルが読めない」「お釣りの計算ができない」などで発覚することがあります。
※障害年金の実務では、単独ではなく、ADHDやうつ病などと併発している場合に審査の対象となることが多いです。
発達障害で障害年金をもらうための「3つの条件」
障害年金は、要件さえ満たしていれば現役世代でも受け取ることができる公的な制度です。受給するためには、大きく3つの条件をクリアする必要があります。
① 初診日要件
障害の原因となった症状で、初めて医師の診察を受けた日(初診日)が特定できる必要があります。
ここがポイント!
精神科に行った日だけでなく、不眠や頭痛で「内科」を受診した日が初診日になることもあります。
② 保険料納付要件
初診日の前日時点で、国民年金や厚生年金の保険料を一定期間納めている必要があります。 (※免除や猶予を受けていた期間も、納付期間としてカウントされます。「払っていなかったかも…」と不安な方も、まずはご相談ください。特例でクリアできる場合もあります。)
③ 障害認定日要件(症状の程度)
原則として、初診日から1年6ヶ月経った日(障害認定日)の状態で判断されます。この時点で、国が定める「障害の状態」にあるかどうかが審査されます。
【重要】発達障害特有の「カルテ5年の壁」と「遡及請求」
発達障害の申請において、最も大きなハードルとなるのが「初診日の証明」です。 大人になってから発達障害の診断を受けた場合でも、「実は学生時代にグレーゾーンで一度通院していた」という場合、そこが初診日となるケースがあります。
ここで注意が必要なのが、病院の「カルテ保存期間は原則5年」という点です。
時間が経ちすぎてカルテが破棄されていたり、病院が閉院していたりすると、初診日の証明が難航し、本来の受給に結びつかないケースが後を絶ちません。
また、過去にさかのぼって年金を受け取れる「遡及請求(最大5年分)」の対象になる場合もありますが、申請が1ヶ月遅れると、1ヶ月分の年金が時効により消滅してしまいます。
「もしかして昔から…?」と思い当たる方は、カルテが破棄されてしまう前に、早めに専門家へご相談いただくことを強くお勧めします。
どれくらいの症状なら対象になる?(認定基準の目安)
「自分は対象になるのかな?」と不安な方のために、簡単な目安をご紹介します。

これを簡単なイメージで表すと下記のような状態です。
1級:常時の介助が必要で、日常生活が自力で行えない状態。
2級:日常生活に著しい制限があり、労働ができない、または困難な状態。
3級(厚生年金のみ):労働に著しい制限が必要な状態。
※重要※
精神疾患には数値での基準がないため、「日常生活能力の判定」というガイドライン(食事や入浴、対人関係などがどの程度できるか)を参考に、総合的に審査されます。
申請に向けた「2つの重要なポイント」
発達障害での申請では、ご自身の状況を書類を通じて客観的かつ正確に伝えることが重要です。
① 「普段の生活の困難さ」を医師へ正確に伝える
短い診察時間で、家での困りごと(片付けができない、お風呂に入れない、買い物ができない等)を全て伝えるのは困難です。その結果、医師に日常生活の負担が伝わりきらず、実態と異なる診断書が作成されてしまうことがあります。
メモを持参するなどして、診察室以外の「生活の実態」を医師へ適切に情報提供する工夫が必要です。
② 「働いている=対象外」ではありません
よく「働いていると障害年金はもらえませんか?」というご相談をいただきますが、就労していても基準を満たせば受給できる可能性があります。
- 障害者雇用枠で働いている
- 一般雇用だが、業務内容を制限してもらっている
- 周りのサポートがあってなんとか続いている
- 休みがちでフルタイム勤務ができていない
このように、「就労に制限がある(配慮を受けている)」ことをしっかりと書類に反映させることで、特に「障害厚生年金3級」などの対象となるケースがあります。
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[障害者雇用と障害年金の関係|働きながら受給するための「伝え方」]
なお、20歳前傷病による障害基礎年金を受給している場合は、所得の金額により減額または支給停止になることもあるのでご注意ください。
ひとりで悩まず、まずは無料相談へ
発達障害の障害年金申請は、「初診日の特定」や「病歴・就労状況等申告書」の作成など、複雑な手続きが必要です。体調が優れない中で、これらを一人で行うのは大きな負担となります。
「自分の場合はどうなんだろう?」「初診日がいつになるかわからない」
そんな時は、おひとりで悩まず、専門家を頼ってください。
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初めまして、社会保険労務士の神尾 愛です。 上野・錦糸町・北区の下町エリアを中心に、障害年金の申請を専門に行っています。(※ご相談は全国対応です)
障害年金の手続きは複雑で、体調が優れない中では「何から手を付ければいいのか」と、途方に暮れてしまう方も多いと思います。一人で頑張る必要はありません。まとまらないお話でも大丈夫です。もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください。



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