慢性腎不全(糖尿病性腎症)で初診日を特定し障害基礎年金2級を受給した事例
目次
慢性腎不全(糖尿病性腎症)で初診日を特定し、障害基礎年金を受給できた事例
約17年前に脳梗塞で救急搬送された際、精密検査で腎機能の悪化(糖尿病性腎症)が発覚した50代男性のケースです。
ご自身で取得された証明書では初診日として認められない状態でしたが、当事務所の調査により適切な初診日を特定し、「障害基礎年金2級」の受給に至った事例をご紹介します。
対象者様のご相談データと経緯
基本データと発病から現在までの状況
- 年代・性別: 50代・男性
- 傷病名: 慢性腎不全(原因:糖尿病性腎症)
- 決定した年金: 障害基礎年金2級
- 請求方法: 事後重症請求
ご本人は約17年前、脳梗塞のため救急搬送されました。その際の精密検査において、すでに腎機能が悪化していること(糖尿病性腎症)が発覚しました。
その後、障害年金の申請を行うため、ご自身で搬送先の病院から「受診状況等証明書(初診日の証明)」を取り寄せられましたが、手続きを進めることが難しくなり、当事務所へご相談にいらっしゃいました。
- ご相談時の状況: ご自身で取り寄せた初診日の証明書には「脳梗塞」に関する記載しかなく、慢性腎不全の初診日証明としては要件を満たさない状態でした。
- 障害認定日(初診から1年6ヶ月後)の状況: 当時は人工透析を開始しておらず、障害等級に該当する重症度ではありませんでした。
社労士から見た、この事例の重要なポイント
【ポイント1】「脳梗塞」の証明書と、正しい初診日の特定
ご本人が取得された証明書には、搬送理由である「脳梗塞」の事実のみが記載されていました。障害年金の手続きにおいては、原則として「脳梗塞」と「糖尿病性腎症(慢性腎不全)」には相当因果関係が認められないため、この書類を慢性腎不全の初診日証明として使用することはできません。
そこで当事務所が過去の受診状況を改めて調査したところ、救急搬送されるより前に、別の形で腎機能悪化の指摘を受けていた記録を確認しました。この受診日を初診日として書類を再構築し、審査を進めることができました。
【ポイント2】認定日時点の状況と「事後重症請求」の選択
初診日から1年6ヶ月後(障害認定日)の時点では、人工透析を開始しておらず、検査数値等も障害等級の基準を満たしていませんでした。
過去に遡って請求する「遡及請求」を行うことは制度上難しいため、現在の症状をもとに将来に向かって年金を請求する「事後重症請求」を選択し、確実な受給を目指す方針をとりました。
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結果:無事に障害基礎年金2級を受給決定
適切な初診日を立証し、現在の日常生活の状況を反映した申立書を作成して事後重症請求を行った結果、無事に障害基礎年金2級の受給が決定いたしました。
初診日の特定や請求方法の選択に誤りがあると、不支給となるケースも少なくありません。専門家が客観的な記録に基づき手続きを行うことで、スムーズな受給に繋がった事例です。
【Q&A】糖尿病性腎症・人工透析での障害年金についてよくある質問
慢性腎不全や人工透析での障害年金申請について、よくいただくご質問にお答えします。
Q1. 糖尿病と診断されてから15年以上経ちます。最初の病院のカルテがなくても申請できますか?
A. お薬手帳や紹介状、当時のデータから「初診日」を証明し、申請できる可能性があります。
糖尿病性腎症の場合、原因となった「糖尿病で初めて医師の診察を受けた日」が初診日となります。カルテが廃棄されていても、お薬手帳、健康診断の記録、他の病院への紹介状などから客観的に証明できるケースがあります。
Q2. 人工透析を始めました。働きながらでも障害年金は受給できますか?
A. はい、人工透析を受けられている方は原則として2級に該当し、就労中であっても受給可能です。
人工透析を開始された方は、原則として障害基礎年金または障害厚生年金の「2級」に認定されます。障害年金には一部の例外を除き就労による支給制限がないため、働きながらでも規定の年金額を受給することができます。
Q3. 透析はしていませんが、クレアチニン値が高い状態です。受給対象になりますか?
A. 人工透析をしていない場合、検査数値等が国の定める「認定基準」を満たしている必要があります。
透析前の保存期の場合、血清クレアチニン値などの検査数値が高度の異常を示しており、かつ日常生活に著しい制限があることが認定の条件となります。検査数値が基準を満たしているか、事前にご確認いただくことが重要です。
Q4. 地方に住んでいますが、手続きの代行を依頼できますか?
A. 申し訳ございません。当事務所のサポートは、東京都(台東区・北区・荒川区・墨田区・江東区など)および近郊にお住まいの方を対象としております。
当事務所では、対面でのヒアリングや管轄の年金事務所への直接の対応を重視しているため、遠方にお住まいの方からのご依頼はお受けしておりません。何卒ご了承ください。
当事務所からのメッセージ
糖尿病から腎不全へと進行していくケースでは、発症から現在までの期間が10年、20年と長期に及ぶことが珍しくありません。そのため、当時のカルテが廃棄されていたり、複数の診療科(内科・脳神経外科・泌尿器科等)を受診されていたりと、ご自身で初診日を特定・証明することが極めて困難な傾向にあります。
当事務所では、お手元に残っているわずかな手がかりをもとに、医療機関への調査や法的な上申書の作成を行い、数々の「初診日不明案件」を解決に導いてまいりました。
「自分で書類を集めようとしたが、難しくて手が止まってしまった」「現在の自分の状況で、本当に受給の可能性があるのか知りたい」
そのような場合は、ご自身で判断して手続きを諦めてしまう前に、ぜひ一度当事務所へご相談ください。専門家として、最適な解決策をご提案いたします。
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この記事を書いた人:神尾 愛(社会保険労務士)
上野・錦糸町・北区エリアを中心に活動する障害年金専門の社労士。「えがお」をモットーに、複雑な制度をわかりやすく解説し、申請の代行を行っています。地域の勉強会や相談会も定期的に開催中。一人で悩まず、まずはお声がけください。

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