人工透析|働きながら障害年金2級を受給する条件と初診日
目次
💡 この記事のポイント
- 人工透析を受けている方は、フルタイムで働いていても原則として「障害年金2級」の対象となります。
- 初診日から1年6ヶ月を待たず、「透析開始から3ヶ月を経過した日」に申請できる特例があります。
- 申請の最大の壁は「数十年前にさかのぼる初診日の証明」と「平日の手続き時間の確保」です。カルテ破棄による行き詰まりも専門家の調査で突破できます。

人工透析の障害年金認定(原則2級)と受給金額の目安
障害年金には「仕事を続けていると受給できないのではないか」という誤解がありますが、人工透析(血液透析・腹膜透析)の場合は異なります。
人工透析を行っているという客観的な事実により、原則として「障害年金2級」に認定される強い基準が設けられています。
働きながらでも受給可能です
国の「障害認定基準」において、人工透析療法を施行中の方は「原則として2級」と明確に定められています。
精神疾患などとは異なり、等級判定は客観的な医療事実をベースに決定されます。そのため、会社員としてフルタイムで働いていることや、一定以上の収入があることが理由で、不支給になったり等級が下がったりすることは原則ありません。
※症状が極めて重く、日常生活に著しい制限がありほぼ寝たきりの状態などの場合は、さらに上位の「1級」に認定されるケースもあります。
受給金額の目安(厚生年金・国民年金)
受け取れる金額は、腎臓の異常を初めて医師に指摘された日(=初診日)に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が「厚生年金」の方(会社員・公務員など):
「障害厚生年金 2級」の対象となります。定額の基礎年金に加え、過去の給与額や加入期間に応じた「報酬比例部分」が上乗せされます。要件を満たす配偶者がいる場合は、配偶者加給年金も加算されます。(※初診日に会社員であれば、現在退職していても厚生年金の対象です) - 初診日が「国民年金」の方(自営業・主婦・学生など):
「障害基礎年金 2級」の対象となります。法律で定められた定額支給となり、要件を満たすお子様がいる場合は「子の加算」がつきます。
申請時期の「3ヶ月特例」と、最大の壁となる初診日の証明
通常の障害年金は、初診日から1年6ヶ月経過しないと申請できませんが、人工透析の場合は例外的に早く申請できるルールが用意されています。一方で、申請の準備段階において最もハードルが高いのが「初診日の客観的な証明」です。
「透析開始から3ヶ月」で申請できる特例
人工透析を開始した日から「3ヶ月を経過した日」が、障害年金を請求できる日(障害認定日)となります。(※初診日から起算して1年6ヶ月を超える場合を除きます)
初診日から1年6ヶ月経っていなくても、透析開始から3ヶ月経てば申請権が発生するため、「期間が経っていないから」と待つ必要はありません。
なぜ自分で申請するのが難しいのか(初診日の壁)
慢性腎不全の多くは、糖尿病や慢性糸球体腎炎、高血圧などの生活習慣病が長い年月をかけて進行したものです。そのため、初診日は「透析を始めた日」ではなく、「大元となった原因の病気で初めて受診した日」として扱われます。
しかし、初めての受診が15年〜20年前というケースも珍しくなく、カルテの保存期間(5年)を過ぎて破棄されていることが多々あります。
| 状況・書類 | 初診日証明としての有効性と対策 |
|---|---|
| 当時の診察券のみ | 単体では「いつ、何の病気で受診したか」の証明になりません。紹介状、お薬手帳、当時の領収書などとセットにして整合性を証明します。 |
| 第三者からの証言 | 20歳以降の初診日の場合、第三者の証明だけでは認められにくく、客観的な「参考資料」の裏付けが必須です。日付が特定できる当時の記録と紐付けて立証します。 |
| 健康診断の記録 | カルテがない場合、当時の健診で異常が記録されていれば、例外的に証明の参考資料として活用できる通達ルールがあります。年金事務所を納得させる論理的な申立てが必要です。 |
💡 当事務所の解決事例:
▶ 【受給事例】慢性腎不全(糖尿病性腎症)で初診日を特定し障害基礎年金2級を受給
(※ご自身で取得した別の病名の証明書が使えなかった状態から、プロの調査で真の初診日を特定して受給に繋げたケースです)
申請は「早めのスタート」が安心につながります
現在の状態をもとに申請する「事後重症請求」の場合、障害年金は「申請した翌月分」から支給が開始されます。そのため、1ヶ月でも早く手続きを完了させることが、ご自身の経済的な安心へと繋がります。
しかし、人工透析を受けている方は、週3回の長時間の通院とお仕事の両立で、手続きのための時間と体力を確保することが非常に困難です。年金事務所の窓口は原則として平日しか開いておらず、書類の不備で何度も出直すことは、お身体の面でもお仕事の面でも大きなご負担となります。
複雑な手続きはすべて代行いたします
上野・錦糸町・北区エリアの「えがお」にご依頼いただければ、面倒な初診日の証明調査から、医師への依頼状作成、平日の年金事務所への提出・やり取りまで、すべてを代行いたします。
平日お忙しい方のために、土日祝日のご連絡や、事前予約による土日のご面談にも対応しております。一人で悩まず、まずは専門家にご相談ください。
【Q&A】人工透析・慢性腎不全の障害年金についてよくある質問
Q1:健康診断で「要再検査」と言われた日が初診日になりますか?
A:原則として、健診日そのものは初診日にはならず、「健診結果を受けて初めて医師の診察を受けた日」が初診日となります。ただし、カルテが破棄されている場合などに例外的に健診日が初診日と認められる特例もございます。
Q2:透析前ですが、クレアチニン値が高い状態です。対象になりますか?
A:人工透析を開始する前の段階(保存期)であっても、血清クレアチニン値やeGFRなどの検査数値が高度の異常を示しており、かつ日常生活や就労に著しい制限がある場合は、2級や3級を受給できる可能性がございます。
Q3:何十年も前のことで、最初の病院のカルテが破棄されていました。
A:カルテが残っていなくても、当時の「お薬手帳」や「健康診断の記録」「他の病院への紹介状」などを発掘・調査することで、客観的に初診日を証明できるケースが多々あります。専門家にご相談いただくことで、初診日を立証できる可能性が十分にございます。
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初めまして、社会保険労務士の神尾 愛です。 台東区・墨田区・北区エリアを中心に、障害年金の申請を専門に行っています。障害年金の手続きは複雑で、体調が優れない中では「何から手を付ければいいのか」と、途方に暮れてしまう方も多いと思います。一人で頑張る必要はありません。まとまらないお話でも大丈夫です。もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください。


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