複雑な初診日証明の壁を突破し、国家公務員共済で障害厚生年金2級を受給できた事例
目次
症状の悪化により退職を余儀なくされ、無収入と単身生活の強い不安を抱えていた30代女性のケースです。
ご自身で取得された証明書では「学生時代からの受診」が疑われ、共済ルートでの申請が危ぶまれる状態でしたが、当事務所の調査により適切な初診日を特定し、「障害厚生年金(国家公務員共済)2級」の受給に至った事例をご紹介します。
対象者様のご相談データと経緯
基本データと発病から現在までの状況
- 年代・性別: 30代・女性
- 傷病名: 双極性感情障害、自閉スペクトラム症、注意欠陥多動障害(ADHD)
- 決定した年金: 障害厚生年金(国家公務員共済)2級、障害基礎年金2級
- 受給年額: 約123万円(+年金生活者支援給付金)
症状の悪化により就労の継続が困難となり、退職を余儀なくされていました。単身生活で身近に頼れるご家族もおらず、無収入の中で今後の生活基盤に対して極めて強い不安と焦りを抱え、当事務所へご相談にいらっしゃいました。
ご自身で手続きを進めようと、国家公務員共済加入中の医療機関から「受診状況等証明書(初診日の証明)」を取り寄せられましたが、記載内容に不備があり、手続きを進めることが困難な状態でした。
- ご相談時の状況: 証明書の内容に「学生時代から受診していた」と疑われるような記載があり、初診日が国民年金(学生時代)か厚生年金(共済加入中)か揺らぐ危険な状態でした。
- 日常生活の状況: 一人暮らしをされていましたが、実際は極端な偏食状態にあり、家事や衛生環境が全く保てていないなど、見えない部分で生活が破綻している状態でした。
社労士から見た、この事例の重要なポイント
【ポイント1】「学生時代の受診疑い」を覆す、徹底した初診日調査
初診日が「学生時代(国民年金)」とされるか、「共済加入中(厚生年金)」とされるかで、受け取れる年金額が天と地ほど変わってしまいます。証明書にあった「学生時代の受診の疑い」について、当事務所で詳細なヒアリングと記録の調査を実施しました。
その結果、当時は医師の診察や治療を受けたわけではなく「支援センター等に相談したのみ」であった事実を突き止めました。この事実を客観的かつ論理的に整理して申立書を構築し、見事、当初の希望通り「国家公務員共済加入中の初診」として認めさせることに成功しました。
【ポイント2】「一人暮らしの壁」を越える、実態に即した診断書の確保
精神疾患の審査において、「単身生活=一人で生活できている(軽症である)」と誤認されるリスクが非常に高くあります。
そこで当事務所では、表面上は生活できているように見えても、「実際は極端な偏食状態にある」「家事や整理整頓ができず衛生環境が保てていない」といった単身生活の過酷な実態を詳細なレポートにまとめ、主治医へ適切に情報提供。実態を正確に反映した精緻な診断書を作成していただきました。
【ポイント3】国家公務員共済特有の複雑な手続きをフルサポート
国家公務員共済への請求は、通常の年金事務所とは異なる独自の指定様式や手続きルールが存在します。精神的なゆとりがないご本人に代わり、これらの複雑な手続きを一手に引き受け、迅速かつ確実に請求を完了させました。
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結果:無事に国家公務員共済での2級を受給決定
適切な初診日を立証し、「一人暮らしの見えない不自由さ」を反映した診断書と申立書で請求を行った結果、無事に最も手厚い国家公務員共済での2級受給が決定いたしました。
さらに「年金生活者支援給付金」の上乗せや、国民年金保険料の「法定免除」手続きも完了。安定した年金収入という大きな柱ができたことで経済的な不安が払拭され、現在は新しい生活に向けて前向きに歩み出されています。
【Q&A】双極性感情障害・一人暮らしでの障害年金についてよくある質問
精神疾患での障害年金申請や、一人暮らしの方からよくいただくご質問にお答えします。
Q1. 初診日が国民年金か厚生年金(共済)かで、そんなに違うのですか?
A. はい。受給できる金額や対象となる等級の範囲が大きく異なります。
厚生年金(共済含む)加入中が初診日の場合は、1級・2級に加えて「3級」や「障害手当金」まで対象が広がります。また、2級以上になった場合は基礎年金に加えて厚生年金が上乗せされるため、初診日を正しく特定することは極めて重要です。
Q2. 一人暮らしをしていると、精神疾患で障害年金をもらうのは難しいですか?
A. 審査上「自立している」と誤解されやすい傾向があります。
一人暮らしだからといって必ず不支給になるわけではありませんが難しいのは事実です。重要なのは、食事の準備、部屋の掃除、金銭管理など、「一人暮らしの裏側でどれだけ不便や困難が生じているか」を客観的に整理し、医師や審査機関に正確に伝えることです。
Q3. 共済組合への申請は、通常の年金事務所とは違うのですか?
A. はい。専用の診断書様式や、独自の添付書類、提出ルートが定められています。
国家公務員共済や地方公務員共済への請求は、通常の年金事務所窓口ではなく各共済組合へ提出します。手続きが複雑で審査のポイントも異なるため、共済案件に慣れた専門家へのご相談をおすすめします。
Q4. 地方に住んでいますが、手続きの代行を依頼できますか?
A. 申し訳ございません。当事務所のサポートは、東京都および近郊にお住まいの方を対象としております。
Zoomを使ったオンライン相談にも対応しておりますが、サポート対象は当事務所から直接動ける範囲に限定させていただいております。
これは、障害年金の申請において重要となる「主治医の先生とのスムーズな連携」や「管轄の年金事務所での直接のやり取り」の質を落とさないためです。遠方の場合、いざという時にフットワーク軽く直接サポートに入ることが難しくなるため、何卒ご理解いただけますと幸いです。
当事務所からのメッセージ
精神疾患による障害年金の申請では、初診日の証明が複雑になったり、単身生活による「見えない不便さ」が審査機関に伝わらなかったりと、ご自身での手続きに限界を感じるケースが数多く存在します。
当事務所では、カルテのわずかな記載事項を見逃さずに初診日を立証し、また「一人暮らしの過酷な実態」を医師に的確に伝えるサポートを行うことで、多くの困難な案件を解決に導いてまいりました。
「自分は一人暮らしだから無理かもしれない」「初診日の証明でつまずいてしまった」
そのような場合は、ご自身で判断して手続きを諦めてしまう前に、ぜひ一度当事務所へご相談ください。専門家として、お客様の人生を立て直すための最適な解決策をご提案いたします。
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この記事を書いた人:神尾 愛(社会保険労務士)
上野・錦糸町・北区エリアを中心に活動する障害年金専門の社労士。「えがお」をモットーに、複雑な制度をわかりやすく解説し、申請の代行を行っています。地域の勉強会や相談会も定期的に開催中。一人で悩まず、まずはお声がけください。

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