障害年金をもらうための「3つの条件」
目次
💡この記事のポイント
- 障害年金をもらうためには「初診日」「保険料納付」「障害認定日」の3つの条件をすべてクリアする必要があります。
- カルテがない、未納があるといった場合でも、プロの調査や特例によってクリアできるケースが多数あります。自己判断で諦めるのは禁物です。

はじめに:障害年金の受給要件(初診日・保険料納付・障害認定日)
障害年金を受給するためには、法律で定められた「3つの要件(条件)」をすべてクリアする必要があります。「自分は当てはまるのかな?」「未納があるから無理かも…」と不安になるかもしれませんが、自己判断は禁物です。
一見ダメそうに見えても、特例や救済措置を使ってクリアできるケースがたくさんあります。まずは以下の3つのポイントをご確認ください。
1. 要件① 初診日要件(いつ、病気が始まったか?)
「障害の原因となった病気やケガで、初めて医師の診察を受けた日」を特定しなければなりません。初診日時点の働き方によって、もらえる年金の種類(基礎か厚生か)が変わるため、最も重要な第一関門となります。
- 現在通っている病院が初診とは限りません。「ずっと昔に一度だけ行った病院」が初診日になることもあります。
💡 社労士の現場からのアドバイス(カルテがない場合の突破口)
「昔すぎて病院を覚えていない」「カルテがもうないと言われた」 そんな場合でも諦めないでください。
「10年前のカルテが破棄されていたが、当時の証拠を組み合わせて初診日を証明し、受給できたケース」が多数あります。調査のプロにお任せください。
2. 要件② 保険料納付要件(年金を払っていたか?)
「初診日の前日」時点で、一定以上の年金保険料を納めている必要があります。過去のすべての期間ではなく、以下の「原則」または「特例」のどちらか一方を満たしていればOKです。
①原則(3分の2要件)
20歳から初診日のある月の前々月までの期間のうち、「3分の2以上」の期間、保険料を納めている(または免除されている)こと。

②特例(直近1年要件)
過去に未納が多くても、「初診日の直近1年間」に未納がなければOKです(※初診日が65歳未満の場合)。

⚠️ 20歳前に病気になられた方へ
20歳より前に初診日がある場合(生まれつきの疾患や、未成年の事故など)は、保険料の納付要件は問われません。未納があっても受給可能です。
3. 要件③ 障害認定日要件(障害の重さはどれくらいか?)
原則として「初診日から1年6ヶ月が経過した日(障害認定日)」の時点で、国が定める障害の基準(1級・2級・3級)に該当している必要があります。ただし、一部のケースでは1年6ヶ月を待たずに請求できる特例があります。
原則
「障害認定日」とは、原則として「初診日から1年6ヶ月が経過した日」のことを指します。この時点での障害の状態で審査が行われます。
特例:1年6ヶ月を待たずに請求できるケース
- 人工透析: 開始から3ヶ月経過した日
- ペースメーカー・人工弁: 装着した日
- 人工関節・人工骨頭: 挿入置換した日
- 手足の切断: 切断された日
- 脳血管疾患: 初診から6ヶ月以上経過し、医師が症状固定と診断した日など
👉「今の自分の症状はどの等級になるの?」といった具体的な基準については、各傷病のコラムページをご覧ください。
4. 請求のタイミング(過去分ももらえる?)
障害年金の請求方法には、大きく分けて「過去にさかのぼってもらう方法(認定日請求)」と「今から未来に向けてもらう方法(事後重症請求)」の2つのパターンがあります。
① 障害認定日請求(さかのぼって受け取る)
「初診日から1年6ヶ月後の時点」で障害の状態にあった場合、その時点までさかのぼって請求できる可能性もあります。認められれば、最大5年分の年金をまとめて受け取れます。
▼ 【図解】原則のケース(初診日から1年6ヶ月後が障害認定日)

【出典】日本年金機構 パンフレット(障害年金ガイド)より引用
💡 専門家からのアドバイス
さかのぼって請求するには、当時の症状を証明する「過去の診断書(カルテ)」が必要になるため、時間が経つほど証明が難しくなるのが現実です。「あの時、もっと早く専門家に相談していれば…」と後悔される前に、当時のカルテが残っているかだけでもご相談ください。
② 事後重症請求(今から受け取る)
「昔は症状が軽かったが、今は悪化して働けない」という場合、現在の状態で請求を行います。認められた場合、「請求した月の翌月分」から年金が支給されます。過去の分はもらえませんが、これから先の生活を支えることができます。
▼ 【図解】特例のケース(認定日時点では症状が軽いケース)

【出典】日本年金機構 パンフレット(障害年金ガイド)より引用
💡 専門家からのアドバイス(1ヶ月の遅れが致命傷に)
事後重症請求の場合、過去にさかのぼって年金をもらうことはできません。図のように、「請求手続きをした月の翌月分から」の支給となります。
「自分はもらえるのかな?」と迷ったら、まずは1日でも早く動くことが、あなたの今後の生活を守る一番の防衛策です。
5. よくあるご質問(FAQ)
ここでは、受給条件に関するよくある疑問にお答えします。
Q. 現在フルタイムで働いていますが、条件を満たして受給することはできますか?
A. はい、可能です。「働いている=もらえない」ではありません。
障害者雇用枠であったり、職場で「業務内容の制限」や「配慮」を受けている事実をしっかりと診断書や申立書で証明できれば、受給できる可能性は十分にあります。
Q. 初診日時点で専業主婦だったのですが、もらえる金額は変わりますか?
A. はい、変わります。
初診日に加入していた年金制度によって「基礎年金」か「厚生年金」かが決まり、金額や対象となる等級が変わります。詳しくは「障害年金の種類(2階建て)」や「もらえる金額の目安」の記事をご覧ください。
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