障害年金の種類(2階建てのしくみ)

日本の公的年金制度の「2階建て」の仕組みを、積み木と電球で表現した図

 

日本の年金制度は「2階建て」になっているとよく言われますが、実は障害年金も同じように「障害基礎年金(1階)」と「障害厚生年金(2階)」の2種類に分かれています

ここで最も重要なのが、「初診日(初めて病院に行った日)」です。この日にどちらの階(年金制度)に加入していたかによって、もらえる等級や金額が天と地ほど違ってくることをご存知でしょうか?

 

障害年金もこの仕組み同様、「障害基礎年金と「障害厚生年金(障害共済年金)」の2種類に分かれています。

ここでは、ご自身がどの種類の年金を受け取れるのか、その決定的な違いを分かりやすく解説します。

ポイント:どの年金がもらえるかは「初診日」で決まる!

もらえる年金の種類は、現在の職業ではなく、「障害の原因となった病気やケガで、初めて医師の診察を受けた日(初診日)」に加入していた年金制度で決まります。

障害基礎年金(年金の1階部分)

日本国内に住んでいる20歳から60歳までのすべての人が加入している「国民年金」がベースとなる年金です。

対象となる方(初診日の状況)

自営業・フリーランス、専業主婦(主夫)、学生、無職の方、20歳未満の方など

受け取れる等級と内容

障害等級1級・2級のみ

・お子様がいる場合の「子の加算」あり

⚠️ ここが重要!基礎年金には「3級」がありません

実際に当事務所にご相談に来られた専業主婦の方で、「ずっと具合が悪かったけれど、我慢して病院に行かず、夫の扶養に入ってから初めて受診した」というケースがありました。この場合、どんなに症状が重くても「基礎年金」の土俵になり、3級相当では不支給になってしまいます。

障害厚生年金・障害共済年金(年金の2階部分)

会社員や公務員として働いている間に初診日がある方が対象となる、手厚い上乗せ制度です。「2階(厚生・共済)」の要件を満たせば、自動的に「1階(基礎)」もセットで受給できるのが最大の特徴です。

対象となる方(初診日の状況)

会社員(厚生年金加入中)、公務員・私学教職員など(共済組合加入中)

受け取れる等級と内容

障害等級1級・2級: 障害厚生(共済)年金 + 障害基礎年金 + 配偶者加給年金

・障害等級3級: 障害厚生(共済)年金のみ受給可能

・障害手当金: 3級よりやや軽い症状の場合でも、一時金(まとまったお金)が支給される独自の制度があります。

 

💡 社労士の現場からのアドバイス

「会社を休職中に初めて精神科に行った」という方は、厚生年金の対象になります。しかし、「退職した翌日」に初めて病院に行った場合は、国民年金(基礎年金)になってしまいます。錦糸町や上野での面談でも、この「初診日が退職の前後どちらか」で受給の明暗が分かれ、一緒に頭を抱えるケースが少なくありません。

▶ 参考記事:障害年金を受給するための3つの条件

💡 豆知識:なぜ厚生年金(2階)の方が手厚いのか?

基礎年金(1階)には3級がないのに、厚生年金(2階)にはなぜ3級や手当金があるのでしょうか? その答えは、それぞれの年金の「法律の第1条(目的)」を読むとよく分かります。少しマニアックですが、専門家の視点からご紹介しますね。

 

【国民年金法 第1条】(1階部分) 「日本国憲法第25条(健康で文化的な最低限度の生活)第2項(具体化するための国の努力義務)に規定する理念に基き…略…、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。」  引用:eーgov法令検索

 

【厚生年金保険法 第1条】(2階部分) 「労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」  引用:e-gov法令検索

社労士のやさしい翻訳

つまり、国民年金(基礎年金)は、いわば土台となるセーフティネットです。だから、本当に重い状態(1級・2級)の方に絞られています。

一方で、厚生年金は「労働者と、その家族を手厚く守るための特別な保険」です。保険料を会社と半分ずつ高く払っている分、「働きながらでも辛い(3級)」という状態まで、手厚くカバーしてくれる仕組みになっているのです。

だからこそ、「初診日に会社員だったか(厚生年金に守られているか)」の証明が、あなたの人生を左右するほど重要になってきます。

💡 なぜ「初診日」をここまで重要視するのか?

障害年金のご相談で、私たちが一番最初に、そして一番慎重に確認するのが「初診日(初めて病院に行った日)」です。なぜなら、初診日は単なる治療のスタート地点ではなく、その後の年金手続きの「すべての運命を決める日」だからです。

理由は大きく2つあります。

① 適用される「法律」が根底から変わるから

初診日に加入していた年金制度によって、先述の「国民年金法(基礎年金)」のルールで審査されるか、「厚生年金保険法(厚生年金)」のルールで審査されるかが確定します。この法律の違いによって、先ほど解説した「3級がもらえるかどうか」という天と地ほどの差が生まれてしまうのです。

② 「年金をちゃんと払っていたか」を調べる基準になるから

障害年金をもらうには「初診日の前日」時点で、保険料を一定以上納めている必要があります。つまり、初診日の日付が1日でもズレて確定してしまうと、年金事務所で調べる過去の期間もズレてしまいます。その結果、「本当はもらえるはずだったのに、初診日の証明を間違えたせいで未納扱いになり不支給」という最悪の事態になりかねません。

 

「初診日がずっと昔でカルテがない」「転院を繰り返していて、どこが初診か分からない」という方は、ご自身で年金事務所に行く前に、まずは一度立ち止まって当事務所へご相談ください。プロの視点で、あなたの「正しい初診日」をパズルのように紐解いていきます。

まずはご自身の「年金の種類」をご確認ください

「自分の初診日だと、どの種類になるのか分からない」 「初診日がずっと昔で、当時は何年金だったか覚えていない…」 「未納期間や免除期間があって判断が難しい」

そのようなご不安がある場合は、自己判断で諦めてしまう前に、専門家による無料の受給判定をご利用ください。複雑な年金記録の確認からサポートいたします。

 

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台東区・墨田区・北区エリア対応の障害年金専門社労士 神尾愛 近影この記事を書いた人:神尾 愛(社会保険労務士)上野・錦糸町・北区エリアを中心に活動する障害年金専門の社労士。「えがお」をモットーに、複雑な制度をわかりやすく解説し、申請の代行を行っています。 地域の勉強会や相談会も定期的に開催中。一人で悩まず、まずはお声がけください。

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