障害年金が不支給になる3つの理由|「決定が早い」と言われる原因と対策
目次
はじめに:「不支給決定は早い」と言われる理由

書類審査のみで行われる難しさ
「症状は重くて働けないのに、障害年金が不支給になってしまった…」 「自分で申請したら、あっという間に不支給決定の通知が届いてしまった」
障害年金は、病気やケガで生活に支障が出た方を支える大切な制度ですが、このように不支給となってしまうケースが後を絶ちません。
ネット上で「不支給決定は早い」と言われることがあるのは、障害年金の審査が面談ではなく「提出された書類のみ」で行われるためです。書類に不備や矛盾があった場合、内容を深く審査される前に弾かれてしまう(却下・不支給となる)ことが多いのが現実です。
不支給を防ぐためには、以下の「3つの原因」を事前にしっかり対策しておくことがカギとなります。
不支給になる最大の原因①:初診日の証明ができない
カルテがない場合の客観的証拠の集め方
初診日(初めて医師の診察を受けた日)がいつかによって、もらえる金額や対象となる等級が大きく変わります。しかし、病院のカルテ保存期間は原則5年です。昔のカルテが破棄されていて証明ができなければ、いくら現在の症状が重くても審査に進むことすらできません。
💡 カルテがない場合の突破口
カルテがなくても諦める必要はありません。以下のような「客観的証拠」を集めることで初診日を認めさせることができます。
・第三者証明: 当時の状況を知る友人や同僚、医療従事者からの証言。
・間接証拠のパズル: 手帳の診断書、健康診断の記録、お薬手帳などを組み合わせる方法。
・社会的治癒の主張: 過去に受診歴があっても、長期間無治療で普通に働けていた場合、再発後の受診日を「新たな初診日」として主張できるケースがあります。
不支給になる最大の原因②:診断書が実態より軽く書かれている
診察室での「大丈夫です」に要注意
内部疾患や精神疾患の場合、フルタイムで働いているという事実だけで「日常生活能力が高い」と判断され、不支給になるリスクがあります。ここで気をつけたいのが、医師とのコミュニケーションです。
💡 社労士の現場から(よくある失敗例)
診察室に入ると、医師から「最近どうですか?」と聞かれ、つい反射的に「大丈夫です」「なんとかやっています」と答えてしまっていませんか? 普段なら立派な気丈さですが、障害年金においてはこれが命取りになります。医師は言葉通りに「日常生活に支障がない」と判断し、診断書を軽く書いてしまうからです。
当事務所では、医師に実態を正しく伝えるための「日常生活の辛さメモ(参考資料)」を一緒に作成することで、実際の症状と診断書のズレを徹底的に防ぎます。
不支給になる最大の原因③:申立書と診断書の矛盾
ありのままの事実を伝えることの重要性
ご自身で作成する「病歴・就労状況等申立書」も、等級を左右する重要な審査書類です。診断書では「家族の援助が必要」と書かれているのに、ご自身で書く申立書で「自発的にできる」などと記載してしまうと、内容に矛盾が生じます。
申立書は、ご自身の「できないこと」を何十枚も書き連ねる辛い作業です。そのため、途中で心が折れてしまい、「本当は実家で親に全部ご飯を作ってもらっているのに、つい見栄を張って『たまに自炊している』と書いてしまう」方が非常に多いのです。
私たちが書類作成を代行する意味は、お客様が一人で傷つきながら書くのではなく、第三者の冷静なプロの目線で「ありのままの事実」を矛盾なく書類に落とし込むためでもあります。
もし不支給になってしまったら?やり直しの手段
審査請求と事後重症請求
もし不支給になっても、まだ道は残されています。
・審査請求(不服申し立て): 審査結果に納得がいかない場合、結果を知った日から3ヶ月以内に行います。
・再請求(やり直し):「不支給の原因を修正できた」「症状が悪化した」という場合は、初めから申請をやり直すことが可能です。
一度提出した書類を覆す難しさ
「とりあえず自分で出してみて、ダメだったらプロに頼もう」と考える方がいらっしゃいますが、実は大変危険です。
一度提出した診断書や申立書のコピーは、年金機構に「過去の記録」として残ります。後から専門家が「本当はもっと重かったんです」と主張しても、「でも、前の書類にはご自分でできると書いてありましたよね?」と矛盾を突かれ、審査請求でも覆らないケースが非常に多いのが現実です。
一人で悩まず、提出前に専門家へご相談を
障害年金は、後からやり直すのが非常に困難な制度です。初診日の証明が難しい場合や、自分で書いた書類に不安がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。
複雑な制度をわかりやすく解説し、申請の代行を行っています。上野駅徒歩3分の相談会場(台東区)のほか、錦糸町駅徒歩1分のオフィス(墨田区)でもご相談を承っております。
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障害年金の不支給に関するよくある質問(FAQ)
Q1: 自分で申請して不支給になってしまいました。再申請はできますか?
A1: はい、可能です。不支給となった原因を分析し、新たな証拠を揃えて再請求(事後重症請求など)を行うか、結果を知った日の翌日から3ヶ月以内であれば審査請求(不服申し立て)を行うことができます。ただし、一度提出した記録を覆すのは難易度が高いため、再チャレンジの際は専門家へのご相談をおすすめします。
Q2: 初診日の病院のカルテが破棄されていました。どうすればいいですか?
A2: カルテ(診療録)の保存期間は5年となっているため、破棄されているケースは珍しくありません。その場合、お薬手帳、健康診断の記録、障害者手帳の診断書、当時の状況を知る第三者の証言などを「客観的証拠」として集め、初診日を証明していく方法があります。
Q3: 医師に書いてもらった診断書の内容が、実際の症状より軽い気がします。そのまま出しても大丈夫ですか?
A3: そのまま提出するのは大変危険です。障害年金の審査は書類のみで行われるため、診断書の内容がそのまま事実として認定されてしまいます。提出前に必ずコピーを取り、実態とズレがある場合は、医師に実生活の困難さをまとめたメモ等を添えて、追記や修正の相談をすることが重要です。
この記事を書いた人:神尾 愛(社会保険労務士)上野・錦糸町・北区エリアを中心に活動する障害年金専門の社労士。「えがお」をモットーに、複雑な制度をわかりやすく解説し、申請の代行を行っています。 地域の勉強会や相談会も定期的に開催中。一人で悩まず、まずはお声がけください。


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